トランプとファウチのマスク事情 | 新型コロナウイルスにまつわる英語 | Mask resistance マスク着用拒否

最終更新: 2日前



アメリカの新型コロナウイルス対策を率いる感染症の専門家として、国民から高い信頼を置かれている米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアントニー・ファウチ所長は7月23日、首都ワシントンにあるナショナルズパークで、大リーグの2020年開幕戦の始球式に登板。


ナショナルズの帽子とユニフォームに身を包んだファウチ氏の顔には、もちろんマスクが着用されていました。





それもそのはず。ファウチ氏はCNNに、マスク着用は「人々が実施すべきことの象徴」であってほしいと述べると同時に、マスク着用は「相手への敬意」と語っているのです。




"I want to protect myself and protect others, and also because I want to make it be a symbol for people to see that that's the kind of thing you should be doing.”

                               (CNNより引用)


自分の身は自分で守りたいし、周りの人も守りたい。同時に、人々が実施すべきことはそういうことなのだと思える象徴にしたい。





"Fauci said he believes that while wearing a mask is not `100% effective,` it is a valuable safeguard and shows `respect for another person.`"

                               (CNNより引用)


ファウチ氏は、マスク着用は "100%有効 "なわけではないが重要な安全対策であり、"他者への敬意 "を示すものであると述べた。





感染しない・させないという予防の観点だけでなく、周囲の人々への思いやりにも配慮した謙虚なこのコメントを発するファウチ氏に対し、記事冒頭写真にマスクなしで写るトランプ大統領。しかし、ついに7月11日、公の場で初めてマスク姿を披露。感染対策として専門家から推奨されている公の場でのマスク着用を何ヶ月も拒否していたにも関わらず、発したのは次のコメント。



"I have no problem with a mask. I don't think you need one when you're tested all the time, everybody around you is tested."  (NPRより引用)


マスク(を着用すること)に何ら問題はない。(しかし、)常に検査を受けていればマスクは必要ないと思う。周囲の人もみんな検査を受けている。







かと思えば21日、ツイッターでマスク着用は「愛国的な行為」だと称賛し、マスク姿の自身の写真と共に「私以上の愛国者はいない」と投稿。




我々は見えない「中国ウイルス」に打ち勝つため団結している。ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)が取れないとき、マスクをするのは愛国的だと多くの人は言っている。皆さんの大好きな大統領である私以上に愛国的な人はいない!






しかし、そのわずか数時間後、ホワイトハウスの近くに自身が所有するトランプ・インターナショナル・ホテルで行われた次の選挙戦の資金集め集会では、マスクを着用をしていない姿で登場。


マスク着用拒否を続けていたにも関わらず記者に問われると着用に「何ら問題ない」と述べ、マスク着用は「愛国的」と自ら投稿するもその数時間後にマスク無しでパーティーに出席。国のリーダーという立場でありながらも、ここまで一貫性のない言動であれば批判を浴びても仕方がないのではないでしょうか。




余談ですが、トランプ大統領、自身のマスク姿はアメリカのテレビ番組や映画「ローン・レンジャー」の主人公のようで「まあまあだ」とのこと。



"I had the mask on. I sort of liked the way I looked. OK. I thought it was OK. It was a dark black mask, and I thought it looked OK. It looked like the Lone Ranger.”

(CBS News から引用)


マスクを着けてみたら、悪くはなかった。まぁ、こんなもんかと。濃い黒いマスクだったんだが、まあまあだった。ローン・レンジャーのようだったよ。





ローン・レンジャーのようだと着け方が間違っているのですが・・・







全世界の感染者数は1000万人、死者数は50万人を超えたCOVID-19ですが、このパンデミックをファウチ氏は1918年のスペイン風邪に比較しました。


"This is a pandemic of historic proportions. I think we can’t deny that fact. It’s something I think that when history looks back on it, it will be comparable to what we saw in 1918." (FOXより引用)


これは歴史的な規模のパンデミックです。その事実を否定することはできません 。歴史を振り返った時、1918年(のスペイン風邪の危機)に匹敵すると思います。






"'If you look at the magnitude of the 1918 pandemic, where anywhere from 50 to 75 to 100 million people globally died, I mean, that was the mother of all pandemics and truly historic,' Fauci said. 'I hope we don't even approach that with (COVID-19) but it does have the makings or the possibility of approaching that in seriousness.'" (FOXより引用)


1918年のパンデミックの規模を見てみると、世界中で5000万人、7500万人、あるいは1億人が死亡していますが、あれこそ全てのパンデミックの母であり、正に歴史的なものでした。今回の(COVID-19)では、その水準に近づかないことを願っていますが、それに近い深刻な事態になる要素や可能性はあります。





そんなファウチ氏は17日、アメリカの州知事らに住民のマスク着用を可能な限り強硬な姿勢で指示するように訴えました。



"Fauci implores state and local leaders to 'be as forceful as possible' with mask orders"CNNより引用)


マスク着用指示「なるべく強硬姿勢で」ファウチ氏が州知事や市長に要請



”'Americans are actually slowing down the re-opening the country by not wearing a mask,' said Fauci, the director of the National Institute of Allergy and Infectious Diseases.


He said he respects the 'spirit of independence in our country,' but says this is different.


'People need to understand that we are in a very serious situation that necessitates communities pulling together,' he said. 'If we could get more people to understand that, hopefully we'll get more people who'd be willing to wear masks.'"CNNより引用)



国立アレルギー・感染症研究所の所長であるファウチ氏は、「米国民はマスクを着用しないことで国の再開を自ら遅らせている」と指摘。


「我が国の独立心」は尊重するも、今回ばかりは事情が違うと述べた。


非常に深刻な状況にある今、地域社会の一致団結が欠かせないことを理解する必要があると訴えた。この点をもっと多くの人に理解してもらえれば、マスクを着用しようとする人が増えてくれるのではないかとの意見を示した。








アメリカにはマスク着用義務を憲法上の権利の侵害だと頑なに拒む人々がいます。独立心こそアメリカの魅力の1つではありますが、ファウチ氏が述べる通り、これは「事情が違う」のではないでしょうか。



"Anti-Mask Rallies Continue In U.S. Amid Rising Coronavirus Cases And Deaths"

Forbesより引用)


マスク反対派の集会 米国のウイルス感染者と死亡者数の増加中でも継続








カリフォルニアでは20日、マスク着用をポリシーとするパン屋でマスク着用を拒否する女性のビデオが炎上


彼女の主張とは、次のようなもの。


マスクをしていてもオナラの臭いは分かる。そんなマスクを着用したところでコロナウイルスを予防できるはずがない。マスクの有効性は「でっち上げ」だ。






なんとも。







しかし、マスク反対派というのは、今回が歴史で初めて登場したわけではありません。実は、1918年、スペイン風邪のときにもいたのです。


"When Mask-Wearing Rules in the 1918 Pandemic Faced Resistance

Most people complied, but some resisted (or poked holes in their masks to smoke)." (Historyより引用)


1918年のパンデミック時にマスク着用義務が反発を招いたとき

ほとんどの人は従ったが、一部の人は抵抗した(マスクにタバコを吸う穴を開けた者も)






新型ウイルスの感染拡大防止のためにマスク着用を強く推奨するファウチ氏ですが、昨日の始球式後の試合観戦中には、「あごマスク」をしているところを撮られてしまいました。


そらきた!と言わんばかりに食いついたメディアですが、実際は水分補給しようとマスクを下げていただけ。前日には検査を受け陰性だったこともこのインタビューで明らかになりました。



"I had my mask around my chin. I had taken it down. I was totally dehydrated, and I was drinking water, trying to rehydrate myself. And, by the way, I was negative COVID literally the day before. So, I guess people want to make it a big event. I wear a mask all the time when I’m outside. To pull it down to take some sips of water and put it back up again -- I guess if people want to make something about that they can. But to me, I think that's just mischievous."


あごマスクをしていました。マスクを下げたのです。完全に脱水状態で、水分補給しようと水を飲んでいました。ちなみに、正にこの日の前日に検査を受けたら陰性でした。これに関して大騒ぎしたいんでしょうね。私は外にいるときはいつもマスクをしています。マスクを下げて、水を一口飲んで、またマスクをする。こんなことを騒ぎ立てたいなら、好きにすればいい。でも私に言わせれば、これはただの悪意としか思えません。





いつの時代でも、どんな国でも、メディアは都合のいいように音声や画像を「ゆがめて」センセーショナルに報道するものです。








何はともあれ、CDCが推奨するように他人とソーシャル・ディスタンスを保つのが困難な場ではマスクを着用し、自分が感染しないだけではなく、他人を感染させないというファウチ氏の述べた他者への「敬意」も忘れずに全員が過ごせば、終息もそう遠くはないのかもしれません。





"The United States could get the spread of the novel coronavirus 'under control' within a matter of weeks if everyone wore face coverings, Centers for Disease Control and Prevention Director Robert Redfield said Tuesday." 

(The Washington Postより引用)


アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のディレクターであるロバート・レッドフィールド博士は火曜日、全員がマスクを着用するようになれば、米国の新型ウイルスは数週間で感染を抑えることができるだろうと述べた。









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