レムデシビル 「特効薬」は英語で "silver bullet" Remdesivir | 新型コロナウイルスにまつわる英単語

最終更新: 5月27日


米国Gilead製薬会社がエボラ出血熱の治療薬として開発したレムデシビル。


同社が実施した臨床試験では、COVID-19感染者に投与後に一定の効果が認められ、特に重症患者への効果が期待されています。


新型コロナの”特効薬”として期待されているレムデシビルですが、中国のグループが発表した論文では同薬の投与後も「効果が見られなかった」とのことで、治験結果が米中で異なっているという報告もあるようです。(出典:日本経済新聞


今回はこのレムデシビルについての海外の記事をピックアップし、文法や単語に焦点を当てていきます。




"US regulators have allowed the emergency use of the experimental drug remdesivir, which appears to help some coronavirus patients recover faster."

(出典:The Guardian)


米国の規制当局は、一部のコロナウイルス患者の回復を早めるとされる実験薬レムデシビルの緊急投与を許可した。





こちらの文章では、後半に "help some coronavirus patients recover faster" という部分があります。これは、「help 原形」で「人が~するのを助ける」という意味を持つ表現です。



"help some coronavirus patients recover faster" の直訳は、「一部のコロナウイルス感染者が早く回復するのを助ける」です。




この表現、実は2パターンあります。



help 原形


help some coronavirus patients recover faster

一部のコロナウイルス感染者が早く回復するのを助ける






help to不定詞


help some coronavirus patients to recover faster

一部のコロナウイルス感染者が早く回復するのを助ける




どちらも文法的には正解ですが、特に口語やアメリカ英語では①の原形を使うことが多いようです。イギリス英語では、正式には②のto不定詞を利用するとされています。原形を使うか、to不定詞を使うかで若干ニュアンスに違いがあると説明する本もありますが、正直、ネイティブでも「まったく同じ」と感じる人も多く、個人的にも2つに差は感じません。







”Japan launched expedited authorization procedures for the antiviral drug. This will allow reporting of domestic clinical trials to be postponed to a later date. The streamlined process is allowed in cases where a drug has been approved for use overseas.” (出典:Nikkei Asian Review)


日本はこの抗ウイルス薬の迅速な承認手続きを開始した。これにより、国内の臨床試験報告を後日に延期できるようになる。簡略化された手続きは、海外での使用が承認された医薬品の場合に認められる。



こちらの文章にはビジネス英語で役立つ単語やフレーズがいくつか登場します。



expedite は、「~を迅速に処理する」「~(の進行)を加速させる」「~を促進させる」という意味で、口語ではやや硬く聞こえ、文章などでよく目にします。そのため、ビジネスなどオフィシャルなシーンで使えるとスマートな印象です。


上の文章では、expedited authorization procedures (迅速承認手続き)と形容詞として使われています。




例文


If there is an emergency situation, we want expedited action.

緊急事態が発生した場合、迅速な対応をお願いします。



Steve denied that the corruption scandal had expedited his resignation.

スティーブは、汚職スキャンダルが彼の辞任を加速させたことを否定した。






2つめの文章の "postponed to a later date" は「後日に延期になった」という意味で、こちらもビジネスで覚えておくと便利なフレーズです。


最後の文では、streamlined process = 合理化されたプロセス がビジネスでよく使われるフレーズです。






臨床研究ではレムデシビルが投与された重症患者の約7割近くで症状の改善が認められるも、4分の1に腎機能低下などの思い副作用が報告されています。(出典:東京新聞)また、まだデータが少ないことも指摘されています。そんなことも関係しているからか、カナダはレムデシビルに対して慎重な姿勢なようです。



"Canadian experts don’t see Remdesivir as a COVID-19 killer: ‘This is not a silver bullet’" (出典:The Sault Star)


カナダの専門家はレムデシビルを新型コロナウイルスキラーとは見ていない:「これは特効薬ではない」


この文章の注目するべきフレーズは特効薬を意味する silver bullet です。英語でも、silver bulletは、ある病気や症状に有効な薬問題の解決法などを意味します。しかし、なぜ特効薬が silver bullet (銀の弾丸)なのでしょうか。



Wikipediaによると、「銀には高い殺菌作用があるほか、ヒ素化合物のひとつである硫化ヒ素と反応して黒変する性質があるため、古くから病をもたらす未知の存在へ対抗する手段として経験則的に知られている。こうした背景から、通常の弾丸では通用しない吸血鬼や狼男、魔女なども銀の弾丸なら射殺できるとされ、伝説やフィクションの世界で多用される存在となった」と書かれています。(出典:Wikipedia)



この silver bullet を使う最も有名な人は、ローン・レンジャーではないでしょうか。西部劇を題材とし、1930年代にアメリカで誕生した「ローン・レンジャー」。実はラジオドラマからスタートし、その後テレビ番組や映画などが作られ長年愛されている名作です。


印象的な黒い仮面をつけたヒーローのローン・レンジャーは、どこからともなく登場し、悪党を倒すと姿を消してしまうのです。そして、残されているのは silver bullet...



そんなことから、「問題を一発で解決できる方法」という慣用句が英語では silver bullet になったようです。






有望視されている新型コロナ治療候補薬レムデシビルですが、重い副作用が報告されているのも事実です。日本政府はレムデシビルの審査の手続きを簡略化し、5月中にも利用可能になる見通しだそうです。







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